ワンルームマンション投資の仕組み|家賃収入・ローン・管理の流れ

家具の少ない明るいワンルームの室内 不動産投資コラム

ワンルームマンション投資は、マンションの1室を買って人に貸し、その家賃を受け取る投資です。仕組みそのものは単純ですが、実際には家賃のほかに、毎月・毎年出ていくお金がいくつもあります。どこにいくら払うのかを知らないまま始めると、思っていた収支とずれてしまいます。

この記事では、1室だけを持つ「区分所有」とはどういうことか、お金の出入り、管理を任せる先の違いを、法律と国の資料をもとに順に整理します。利回りの計算方法は別の記事で扱うため、ここではお金の流れに絞ります。

この記事でわかること

  • マンションの1室を持つ「区分所有」の意味
  • 家賃・管理費・修繕積立金・委託料・税金・ローンの流れ
  • 架空の例で見る、1か月と1年の収支の違い
  • 建物の管理と部屋の賃貸管理は、任せる先が違うこと

1室だけを持つ「区分所有」とは

1棟の建物のうち、構造上区切られていて独立して住居などに使える部分は、それぞれを所有権の対象にできます(区分所有法第1条)。この権利を区分所有権、権利の対象となる部屋を専有部分といいます。廊下・エレベーター・外壁など、専有部分以外の部分は共用部分で、区分所有者みんなで共有します(第2条)。

共用部分の持分は、原則として専有部分の床面積の割合で決まり(第14条)、各区分所有者はその持分に応じて共用部分の負担をします(第19条)。つまりワンルームを1室買うと、部屋の持ち主になると同時に、建物全体を共同で管理するメンバーの一人にもなるということです。

お金の出入りを一覧にする

ワンルームを人に貸しているあいだの、おもなお金の動きは次のとおりです。入ってくるのは基本的に家賃だけで、それ以外は出ていくお金です。

お金向き相手タイミング
家賃入る入居者(賃貸管理を任せていれば管理会社経由)毎月
管理費・修繕積立金出るマンションの管理組合毎月
賃貸管理の委託料出る賃貸管理を任せる会社契約で決めた時期(毎月など)
ローン返済出る借入先の金融機関毎月
固定資産税・都市計画税出る物件のある市町村年1回の税額通知にもとづき納付
火災保険料など出る保険会社契約で決めた時期
室内の修繕・入居者募集の費用出る工事業者・管理会社などそのつど

出典:建物の区分所有等に関する法律、マンション標準管理規約(単棟型)、総務省「固定資産税」をもとに作成(確認日 2026-10-19)

管理費と修繕積立金は「管理組合」へ

国土交通省のマンション標準管理規約(管理規約のひな型)では、区分所有者は管理費と修繕積立金を管理組合に納めるものとされ、額は共用部分の持分に応じて決めるとしています(第25条)。管理費は清掃や共用設備の保守など日常の管理に、修繕積立金は計画的な大規模修繕などに使われます(第27条・第28条)。実際の金額やルールは、マンションごとの管理規約で確認します。

部屋が空室でも、この2つは毎月かかります。また、前の所有者が管理費を滞納していた場合、買った人にも請求できると法律で定められています(区分所有法第7条・第8条)。中古の部屋を買うときは、滞納の有無を事前に確かめておきたいところです。

固定資産税は1月1日時点の所有者に

固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点で登記上の所有者に課税され、標準税率は1.4%です(総務省)。年の途中で買っても、その年の分は1月1日時点の所有者に課税されます。地域によっては都市計画税もかかります。

架空の例で、1か月と1年の収支を比べる

例:家賃月8万円の部屋を、ローンを組んで買った場合です。金額はすべて、お金の流れを示すための架空の数字です。

項目(例:架空の数字)1か月1年
家賃+8万円+96万円
管理費・修繕積立金−1.5万円−18万円
賃貸管理の委託料−0.4万円−4.8万円
ローン返済−5.8万円−69.6万円
毎月の差し引き+0.3万円+3.6万円
固定資産税・都市計画税―−7万円
保険料―−1万円
1年の差し引き―−4.4万円

※すべて架空の数字です。空室・退去時の原状回復・設備交換の費用や、所得税・住民税は含めていません。

毎月の入出金だけを見るとわずかにプラスでも、年に1回の税金や保険料を入れると、1年ではマイナスになることがあります。さらに、退去が出れば家賃が入らない月が生まれ、次の入居者を探す費用や室内の修繕費もかかります。ローン返済や管理費は、空室の月も止まりません。

管理は2種類ある:建物の管理と部屋の賃貸管理

「管理」という言葉には、性格の違う2つの仕事が含まれています。

  • 建物の管理:共用部分の清掃・点検・修繕など。区分所有者全員でつくる管理組合が行う(区分所有法第3条)
  • 部屋の賃貸管理:入居者の募集、家賃の受け取り、室内の維持保全など。オーナーが自分で行うか、会社に任せる

賃貸管理を会社に任せる場合は、賃貸住宅管理業法がかかわります。この法律は、オーナーから委託を受けて賃貸住宅の維持保全と、それとあわせた家賃などの金銭管理を行う事業を「賃貸住宅管理業」とし(第2条)、管理戸数200戸以上の事業者に国土交通大臣への登録を義務づけています(第3条、国土交通省資料)。

登録を受けた管理業者には、次のような義務があります。

  • 契約を結ぶ前に、報酬や管理業務の内容を書面で説明する(第13条)
  • 契約を結んだら、業務の内容・報酬・契約期間などを書いた書面を渡す(第14条)
  • 受け取った家賃や敷金を、自社の財産と分けて管理する(第16条)
  • 管理業務の実施状況をオーナーに定期的に報告する(第20条。国土交通省の資料では最低年1回)

委託料の額だけでなく、どこまでの業務が含まれ、どんなときに別料金がかかるのかを、契約前の説明書面で確かめましょう。家賃を保証する形の契約(サブリース)は仕組みが異なるため、この記事では扱っていません。

家賃収入と確定申告

部屋を貸して得た家賃は不動産所得にあたり、総収入金額から必要経費を差し引いて所得を計算します(国税庁 No.1370)。申告が必要になるかどうか、どんな費用が経費になるかといった手続きの中身は、税務署や国税庁の案内で確認してください。

よくある質問

払います。管理費と修繕積立金は、部屋に人が住んでいるかどうかに関係なく、区分所有者が管理組合に納めるものです。ローンの返済も同じように続くため、空室の期間があっても支払えるかを試算しておくことが大切です。

日々の対応は任せられても、オーナーとしての判断は残ります。家賃の見直しや修繕の実施、管理組合の総会での議決などは、オーナー自身が決める場面があります。管理業者からの定期報告に目を通し、収支を自分でも把握しておきましょう。

変わることがあります。修繕積立金の額は管理組合の総会で決められ、長期修繕計画の見直しにあわせて改定されることがあります。購入前に、長期修繕計画と今後の改定予定を管理会社や売主に確認しておくと、将来の支出を見込みやすくなります。

まとめ

  • ワンルーム1室の購入は、専有部分の所有と、共用部分の共有の両方を意味する
  • 入るお金は家賃、出ていくお金は管理費・修繕積立金・委託料・税金・保険・ローン
  • 毎月の収支がプラスでも、年1回の支払いや空室を入れると逆転することがある
  • 建物は管理組合、部屋の賃貸管理は自分か管理業者。任せる範囲は契約書面で確かめる
  • 管理規約・長期修繕計画・委託契約の内容を確認し、自分の条件で収支を試算する

参考にした資料