教育訓練給付金で英語を学ぶには|一般・特定一般・専門実践の違いと申請の流れ

木目のテーブルの上に、クリアファイルに入った申請書類、電卓、ボールペン、卓上カレンダーが並ぶ俯瞰写真 英語コーチングコラム

英語の講座を探していると、「教育訓練給付制度の対象」という案内を見かけることがあります。これは雇用保険の制度で、条件を満たした人が厚生労働大臣の指定を受けた講座を修了すると、支払った受講費用の一部がハローワークから支給されるしくみです。

ただし、給付には3つの種類があり、それぞれ支給の割合も、受講前にやっておく手続きも違います。申し込んだあとで「手続きが間に合わなかった」とならないよう、この記事では制度の種類・受けられる人の条件・受講前と修了後の流れを、ハローワークと厚生労働省の資料にそって順に確認します。

この記事でわかること

  • 一般・特定一般・専門実践の3種類の支給率と上限額
  • 雇用保険の加入期間など、給付を受けられる人の条件
  • 給付の計算に入る費用・入らない費用
  • 受講開始前の手続きと、修了後の申請期限

教育訓練給付は「指定講座を修了した人」への雇用保険の給付

ハローワークの説明では、教育訓練給付金は働く人の主体的な能力開発やキャリア形成を支え、雇用の安定と就職の促進を図るための制度です。対象になるのは、厚生労働大臣が指定した講座だけです。同じ学校の講座でも、指定を受けたコースとそうでないコースがあることを前提に考えておきましょう。

もうひとつの前提は「修了」です。一般教育訓練の申請には、講座を実施する側が自分の修了認定の基準にもとづいて出す修了証明書が要ります。受講しただけでは足りず、修了の条件(出席や課題など)を満たすことが給付の前提になります。

一般・特定一般・専門実践の3種類の違い

講座は、そのレベルなどに応じて3種類に分かれて指定されています。令和6年10月1日以降に受講を始めた人の場合、支給の割合と上限は次のとおりです。

種類修了などで支給される額資格取得・就職などをした場合受講前の手続き
一般教育訓練経費の20%(上限10万円)上乗せなしなし
特定一般教育訓練経費の40%(上限20万円)経費の50%(上限25万円)まで訓練前キャリアコンサルティング・ジョブ・カード・受給資格確認
専門実践教育訓練受講中から経費の50%(年間上限40万円)経費の70%(年間上限56万円)まで。さらに賃金が5%以上上がれば80%(年間上限64万円)まで訓練前キャリアコンサルティング・ジョブ・カード・受給資格確認

出典:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」(令和6年10月1日以降に受講を開始した人の場合。確認日 2026-10-20)

どの種類でも、計算した額が4千円を超えない場合は支給されません。専門実践は最大3年間受けられ、その場合の上限は192万円です。令和6年10月1日より前に受講を始めた人は、専門実践の賃金上昇による上乗せと、特定一般の上乗せの対象になりません。

英語の講座がどの種類で指定されているかは、講座ごとに違います。種類によって手続きが大きく変わるので、まず自分の受けたい講座の種類を確かめるところから始めます。

給付を受けられる人の条件(雇用保険の加入期間)

受講開始日の時点で、雇用保険に加入していた期間が一定以上あることが条件です。会社を辞めた人も、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であれば対象になりえます。

  • 原則:3種類とも、雇用保険に加入していた期間が3年以上
  • はじめて給付を受ける人:一般・特定一般は1年以上、専門実践は2年以上
  • 離職した人:離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、上の加入期間を満たす
  • 受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けている場合は、支給されない

加入期間は転職をはさんで通算できるかなど、自分で判断しにくい点もあります。ハローワークでは受講開始の前に「支給要件照会」ができ、受給資格の有無と、受けたい講座が指定講座かどうかを確認できます。照会は本人確認書類を添えて窓口・代理人・郵送・電子申請で行い、電話では受け付けていません。

給付の計算に入る費用・入らない費用

給付の元になる「教育訓練経費」は、受講者が講座の実施者に払った入学料と受講料(最大1年分)です。一般教育訓練の案内では、次のようなものは含まれないとされています。

  • 検定試験の受験料、受講に欠かせないとはいえない補助教材の費用
  • 補講の費用、行事への参加費、交通費、パソコンなどの機器代
  • クレジット会社への手数料、申請の時点でまだ払っていない額
  • 後で受講者に返金される予定の額(現金以外で受け取る分も含む)

割引を受けた場合は割引後の額が経費になります。勤め先から受講料に充てる手当が出る場合も、その分を差し引いて申請します。例:入学料と受講料あわせて20万円の一般教育訓練なら、20%の4万円が計算上の支給額です(架空の金額です)。

受講開始までにやること

特定一般と専門実践は、受講を始める前の手続きが欠かせません。順番は次のとおりです。

  • 厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システムで、講座が指定を受けているか・どの種類かを調べる
  • 必要ならハローワークで支給要件照会をして、自分の受給資格を確かめる
  • (特定一般・専門実践)訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受ける
  • (特定一般・専門実践)受講開始日の2週間前までに、ハローワークで受給資格確認の手続きをする

受給資格確認では、確認票とジョブ・カード(発行から1年以内のもの)などを、原則として住所を管轄するハローワークに出します。郵送の場合も受講開始日の2週間前までが期限です(消印有効)。申込みの締切と受講開始日が近い講座では、キャリアコンサルティングの予約から逆算して日程を組んでおきましょう。

修了後の支給申請には期限がある

給付は自動では振り込まれず、受講者が自分で申請します。期限を過ぎないよう、種類ごとのタイミングを控えておきましょう。

  • 一般・特定一般:訓練修了日の翌日から1か月以内
  • 専門実践:受講開始日から6か月ごとの期間の末日から1か月以内(年2回)。修了日のある期間は修了日の翌日から1か月以内
  • 上乗せ分(特定一般の50%・専門実践の70%):資格取得と就職のうち遅いほうの日から1か月以内
  • 専門実践の80%分:上の手続きを経たうえで別に申請(期限はハローワークの案内で確認)

申請には修了証明書のほか、講座の実施者が出した領収書(クレジット払いならクレジット契約証明書など)が要ります。受け取った書類は、申請が済むまでまとめて保管しておくと安心です。

よくある質問

使えます。受講開始日の時点で雇用保険の一般被保険者などであり、加入期間の条件を満たしていれば、在職中でも対象になります。加入期間が足りているかは、受講前にハローワークの支給要件照会で確かめられます。

いいえ。受講料はいったん自分で講座の実施者に払い、一般・特定一般は修了後に申請して支給を受けます。専門実践は受講中から6か月ごとに申請できます。支払いの時期と給付の時期にずれがある点は、資金計画に入れておきましょう。

厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システムで講座名や実施者から調べられます。あわせてハローワークの支給要件照会でも、講座が指定を受けているかを確認できます。申し込むコースの名前や期間が、検索結果の講座と同じかも見比べてください。

まとめ

  • 教育訓練給付は、指定講座を修了した人に受講費用の一部を支給する雇用保険の制度
  • 一般は20%(上限10万円)、特定一般は最大50%、専門実践は最大80%(令和6年10月1日以降の受講開始)
  • 加入期間は原則3年以上、はじめての人は1年以上(専門実践は2年以上)
  • 特定一般・専門実践は受講開始日の2週間前までにハローワークでの手続きが必要
  • 目的と使える時間から講座を選び、迷ったらハローワークで照会してから申し込む

参考にした資料