ビジネス英語の身につけ方|会議・メール・面接で使う表現を覚える順番

明るい会議室のテーブルにノートパソコン、資料、コーヒーがあり、奥に後ろ姿やぼけた横顔の数人が座る、英語での打ち合わせをしている落ち着いたオフィスの写真 英語コーチングコラム

「ビジネス英語」と聞くと、分厚い表現集を最初から覚えるイメージを持つかもしれません。けれども、仕事で実際に英語を使う場面は人によってかなり偏っています。自分がよく出会う場面から順に、使う表現を少しずつ増やしていくほうが、覚えた表現を使う機会につなげやすくなります。

この記事では、公表された調査で仕事の英語の使われ方を確かめ、会議・メール・面接の場面ごとに表現を覚える順番を整理します。英文の例はすべて自作です。

この記事でわかること

  • 仕事で英語を使う場面の傾向(公表された調査から)
  • 表現を覚える4つの段階(集める→置き換える→声に出す→使って記録する)
  • 会議・メール・面接それぞれで先に押さえたい表現の型
  • 覚えた表現を自分の仕事に定着させる記録のしかた

仕事で英語を使う場面は、メールと会議が上位

大学英語教育学会(JACET)と国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の共同調査では、仕事で英語を使っている会社員に、英語で行う必要がある(あった)コミュニケーションの形を複数回答で尋ねています。上位は次のとおりでした。

英語を使う形(複数回答)割合
Eメール77.9%
会議(オンライン)55.0%
プレゼンテーション資料42.4%
会議(対面)40.0%
電話(音声のみ)36.5%
オンラインチャット34.3%

出典:大学英語教育学会・国際ビジネスコミュニケーション協会「ビジネスコミュニケーションのための英語力研究成果報告書」(2024年3月)Q5。調査期間 2022年9月16日〜10月2日、有効回答2,686件(確認日 2026-10-20)

回答者は、国際的な業務で英語を使っている人に限って協力を呼びかけた調査なので、働く人全体の平均ではありません。それでも、書く場面ではメール、話す場面では会議が中心になりやすいことが読み取れます。

同協会が2019年に公表した「英語活用実態調査」でも、企業・団体が社員に求める英語力として最も多かったのは「英語で行われる会議(テレカンを含む)で議論できる」(19.9%)で、メールや電話でのやり取り(各15.5%)が続きました。一方、働く人が挙げた課題で最多は「仕事で英語を使う機会が少ない」(50.4%)です。使う場面を自分で特定し、そこに練習を寄せることが、限られた機会を生かす近道になります。

表現を覚える順番は4段階

場面が決まったら、次の順番で表現を増やします。いきなり大量に覚えず、1つの場面で5〜10個程度から始めると管理しやすくなります(数は一例です)。

  • 集める:直近1か月の業務を振り返り、英語が必要だった(必要になりそうな)場面を書き出す。場面ごとに定型の言い回しを少数だけ集める
  • 置き換える:集めた型の空欄に、自分の業務の固有の言葉(案件、数字、部署、日付)を入れて、自分用の文にする
  • 声に出す:作った文を声に出し、録音して聞き直す。メールは自分用のひな形として保存する
  • 使って記録する:実際の会議やメールで使い、言えなかったこと・通じなかったことをメモして次の練習に回す

要は2段階目です。例文をそのまま覚えるより、自分の仕事に置き換えた文のほうが本番で使いやすいと考えられます。

会議:確認・聞き返し・意見・まとめの型から

会議で最初に要るのは、議論の中身より「流れについていく一言」です。共同調査では、オンライン会議と対面会議を比べた質問で、「割り込んで発言の機会を逃さない」ことを「オンライン会議の方が難しい」と答えた人が35.1%と、各項目の中でも目立って多くなっていました。発言のきっかけになる短い型を先に用意しておくと安心です。

したいこと表現の例(自作)
発言に入るCan I add one point here?
聞き返すSorry, could you say that again?
理解を確かめるSo, you mean the deadline moves to May?
意見を言うI think we should test it first.
まとめるSo the next step is to share the data by Friday.

※英文はこの記事で作った例です。

例:定例会議で進捗を報告する人なら、「先週やったこと」「今週の予定」「困っていること」の3文を用意し、会議前に声に出してから参加します。

メール:構成を決めて、ひな形を育てる

メールは調べながら書けるのが利点です。毎回ゼロから書かずに、構成を固定してひな形を増やしていくと負担が減ります。基本の構成は「用件→詳細→依頼→締め」の順です。

  • 用件:I am writing to confirm the schedule for the next meeting.
  • 詳細:The meeting will be held online on June 3.
  • 依頼:Could you send me the agenda by Thursday?
  • 締め:Please let me know if you have any questions.

受け取ったメールで使えると思った一文を、ひな形に書き写しておくのも有効です。

面接:自分の経験を短い型で話せるようにする

英語の面接では、決まった質問への答えをどれだけ準備できるかが大きく影響します。準備の順番は、①聞かれそうな質問を書き出す、②自分の経験を短い型にまとめる、③声に出して時間を測る、④録音を聞いて言い直す、です。

  • 今の仕事:In my current role, I manage orders from overseas customers.
  • 取り組んだ課題:One challenge was reducing delivery delays.
  • 行動と結果:I changed the order process, and the delays decreased.
  • 志望理由:I want to use this experience in a global team.

答えを丸ごと暗記すると、質問の言い方が変わっただけで詰まりがちです。「役割→課題→行動→結果」のように話の骨組みだけを覚え、中身は自分の言葉で言えるようにしておくと、想定外の質問にも組み替えて答えやすくなります。

使った表現を記録して、次の練習につなげる

使った場面の記録は、次に何を練習するかを決める材料になります。日付・場面・言いたかったこと・実際に言えたこと・次に直す点が残っていれば十分です。

項目記録の例(架空)
場面海外拠点とのオンライン定例
言いたかったこと納期を1週間延ばしてほしい
実際に言えたことCan we have one more week?
次に直す点理由を一言添える型を用意する

※記録の内容は説明のための架空の例です。

よくある質問

仕事で使う場面が決まっているなら、よく使う型から覚えるのは現実的な方法です。ただ、型の一部を自分の業務の言葉に置き換えるには、語順や時制の基本が必要になります。置き換えでつまずいた所を、その都度文法書で確かめる進め方が取り組みやすいでしょう。

会社の情報の取り扱いルールに沿う範囲なら、下書きや確認に使う方法もあります。ただ、訳文の言い回しが場面に合っているか、数字や日付が正しいかは自分で確かめる必要があります。ひな形に残す表現は、意味を理解したうえで選びましょう。

今の業務で最も頻度の高い場面からです。メールのやり取りが多い人はメール、定例会議がある人は会議、転職を考えている人は面接、というように、使う予定がはっきりしている場面ほど、覚えた表現を試す機会を作りやすくなります。

まとめ

  • 公表された調査では、仕事で英語を使う形はメール・オンライン会議・対面の会議・電話が上位
  • 表現は「集める→自分の言葉に置き換える→声に出す→使って記録する」の順で増やす
  • 会議は聞き返し・確認・意見・まとめの短い型から用意する
  • メールは構成を固定してひな形を育て、面接は話の骨組みを覚えて中身を自分の言葉で話す
  • 自分の業務の場面と使える時間から、練習する場面の順番を決める

参考にした資料