子どもにタブレットを渡す前の安全設定|フィルタリング・課金・利用時間

大人の手が無地のタブレットの設定画面を操作している手元のアップ タブレット学習コラム

学習用に買ったタブレットや、保護者が使わなくなった端末を子どもに渡すとき、そのまま手渡していないでしょうか。インターネットにつながる端末は、学習のアプリだけでなく、動画やゲーム、買い物の画面にもすぐに届きます。

この記事は、幼児・小学生の両方の保護者向けです。こども家庭庁の調査や法律、国民生活センターの注意喚起をもとに、渡す前に決めておきたいフィルタリング・課金・利用時間の3つの設定を整理します。操作の手順は端末ごとに違うため、ここでは考え方と確認する項目を中心にまとめます。

この記事でわかること

  • 0〜9歳の子どものインターネット利用と、保護者の取組の現状(令和7年度調査)
  • 法律で定められている保護者・事業者の役割
  • フィルタリング・課金・利用時間について、渡す前に設定したいこと
  • 設定とあわせて、家庭で話し合っておきたいこと

小さな子どももインターネットを使っている

こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」(令和8年3月に概要を公表)では、0歳から9歳までの子どもと同居する保護者に、子どものインターネット利用を尋ねています。主な結果は次のとおりです。

項目(0〜9歳の子どもの保護者の回答)令和7年度
インターネットを利用している75.2%
利用している機器:自宅用のパソコンやタブレット等35.4%
平日1日あたりの平均利用時間(利用している子ども)約2時間18分
家庭でインターネット利用のルールを決めている79.5%
保護者がフィルタリングを「知っていた」46.0%

出典:こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」(令和8年3月)概要2・11・14・21(確認日 2026-10-20)

同じ調査で、スマートフォンでインターネットを使う0〜9歳の子どもの保護者に取組を聞くと、「目の前(画面が見える距離)で使わせている」が58.6%、「利用してもよい時間や場所を決めて使わせている」が57.0%でした。一方、フィルタリングを使っているのは24.8%にとどまります。見守りやルールづくりに比べて、端末側の設定まで手が回っていない家庭が多いことがうかがえます。

法律で定められている保護者と事業者の役割

子どものインターネット利用には、青少年インターネット環境整備法(平成20年法律第79号)があります。この法律でいう青少年は18歳未満で、第6条では保護者の努めとして、次のことが定められています。

  • 子どものインターネットの利用状況を適切に把握すること
  • フィルタリングソフトウェアの利用などで、利用を適切に管理すること
  • 子どもがインターネットを適切に活用する力を身に付けるよう促すこと

事業者の側にも決まりがあります。インターネットにつながる機器の製造事業者は、フィルタリングの利用を容易にする措置を講じたうえで販売すること(第18条)、機器を動かす基本のプログラムを開発する事業者は、そうした措置が円滑に講じられるように開発するよう努めること(第19条)とされています。端末やOSに保護者向けの機能が用意されているのは、こうした決まりとも関係しています。

なお、携帯電話の回線契約では、使う人が青少年の場合、保護者が利用しない旨を申し出ない限りフィルタリングサービスつきで提供されます(第15条)。自宅のWi-Fiだけで使うタブレットのように回線契約をしない端末は、この手続きを通らないため、保護者が自分で設定する場面が多くなります。

渡す前に決めておきたい3つの設定

1. フィルタリング(見られるサイトやアプリを絞る)

端末やOSに用意されている保護者向けの機能では、年齢に合わない内容を見られないようにしたり、アプリの入手を保護者の承認制にしたりできるものがあります。法律は、フィルタリングの提供事業者に、子どもの発達段階や利用者の選択に応じて制限をきめ細かく設定できるようにすることを努力義務としています(第20条)。年齢に合わせて段階を選び、成長に合わせて見直していく考え方です。

2. 課金(アプリ内の購入)

国民生活センターによると、契約当事者が小学生・中学生・高校生のオンラインゲームに関する相談は2022年度に4,024件、契約購入金額の平均は約33万円でした。スマートフォンやタブレット端末での小・中学生の無断課金の相談が目立つとしています。同センターの注意喚起をもとに、渡す前に確かめたいことをまとめます。

  • 保護者のアカウントでログインしたままの端末を渡さない
  • 子ども用のアカウントを作り、保護者向けの機能で購入を承認制にする
  • 決済のときにパスワードや生体認証を求める設定にし、パスワードは子どもが推測しにくいものにする
  • 子どもの端末に入力したクレジットカードの情報は削除し、キャリア決済は上限額を見直す
  • 決済完了のメールや利用明細を日ごろから確認する

3. 利用時間(使える時間帯と長さ)

保護者向けの機能には、使える時間帯や1日の上限、アプリごとの利用時間を決められるものがあります。前出の調査で「機器の設定で時間管理している」と答えた0〜9歳の子どもの保護者は11.3%でした。何時間までにするかは家庭によって違うので、まずは家庭で決めた時間を端末の設定に置き換えるところから始めると、声かけだけに頼らずに済みます。

設定とあわせて家庭で話し合っておきたいこと

設定は子どもを守る手段の一つですが、それだけで十分とはいえません。法律の基本理念(第3条)も、子ども自身がインターネットを適切に活用する力を身に付けることを旨としています。国民生活センターも、課金の仕組みを子どもと一緒に確認し、ルールを決めるよう呼びかけています。

  • どのアプリを、いつ、どこで使ってよいか
  • 買い物や課金の画面が出たら、押さずに大人を呼ぶこと
  • 知らない人からのメッセージや、怖い画面を見たときは大人に伝えること
  • 成長や学年の変わり目に、設定とルールを一緒に見直すこと

身に覚えのない請求や無断課金に気付いたら、まずは利用したアプリストアなどの事業者に問い合わせましょう。困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センター等を案内してもらえます。

よくある質問

学習専用でも、インターネットにつながる機能やアプリの入手、購入の機能がある端末かどうかで変わります。まずは端末の説明書や提供元の案内で、何ができる端末なのか、保護者が制限できる項目は何かを確かめておくと判断しやすくなります。

国民生活センターによると、民法では未成年者が保護者の同意なく行った契約は取り消せる場合があります。ただし、保護者のアカウントでログインした端末で課金した場合は、保護者が決済したとみなされることもあります。早めに事業者へ申し出て、困ったときは消費者ホットライン188に相談してください。

機能によっては、保護者が特定のサイトやアプリだけを個別に許可できるものがあります。見られないものが出てきたら、子どもに知らせてもらい、内容を確かめてから許可するかを決めるとよいでしょう。設定の方法は端末の説明書や提供元の案内で確かめてください。

まとめ

  • 令和7年度の調査では、0〜9歳の子どもの75.2%がインターネットを利用している
  • 法律は、保護者に利用状況の把握と適切な管理に努めることを求めている
  • 回線契約をしないタブレットは、保護者が自分で設定する場面が多い
  • フィルタリング・課金・利用時間は、端末やOSの保護者向けの機能で渡す前に設定する
  • 設定とルールを子どもと一緒に確かめ、成長に合わせて見直す

参考にした資料