学校の1人1台端末と家庭のタブレット学習の違い|持ち帰りの今と家庭用の考え方

子ども部屋の机の上で、ランドセルの横にロゴのないグレーのノートパソコン型の学習用端末と家庭用の無地のタブレットが並び、学校の端末と家の端末を見比べている雰囲気の写真 タブレット学習コラム

「学校でタブレットをもらってきたけれど、家でもタブレット学習の教材を用意したほうがいいの?」。いまの小学校では児童1人に1台の学習用端末が配られ、家に持ち帰って使う学校も増えています。

この記事は小学生の保護者向けです。文部科学省の調査と通知をもとに、学校の端末が家でどう使われているのか、学校の端末にはどんな決まりがあるのか、そして家庭用のタブレット学習を用意するかどうかをどう考えればよいかを整理します。

この記事でわかること

  • GIGAスクール構想で、学校の端末がどう整備されてきたか
  • 端末の持ち帰りがどこまで進んでいるか(年度つきの調査結果)
  • 学校の端末を家で使うときの決まりと、家庭用との違い
  • 家庭用のタブレット学習を考える前に確かめたいこと

GIGAスクール構想で、学校の端末はどう変わったか

GIGAスクール構想は、1人1台端末や高速大容量の通信ネットワークなどの学校のICT環境を整え、活用していく文部科学省の取り組みです。目的は、子どもたち一人ひとりに合った「個別最適な学び」と、友だちと考え合う「協働的な学び」を実現することとされています。

文部科学省の「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」によると、児童生徒1人あたりの学習者用コンピュータは、平成31年3月の0.2台から、令和7年3月1日現在で1.1台になりました。小学校だけで見ても1.1台です。

端末の持ち帰りはどこまで進んでいる?

毎年4月に行われる全国学力・学習状況調査では、小学校6年生が在籍する学校に「配られた端末を、どの程度家庭で利用できるようにしているか」を聞いています。令和4年度と令和8年度の小学校の答えを並べると、次のようになります。

学校の答え(小学校)令和4年度令和8年度
毎日持ち帰って、毎日利用させている14.3%27.6%
毎日持ち帰って、時々利用させている13.1%15.5%
時々持ち帰って、時々利用させている39.3%45.5%
持ち帰らせていない11.2%7.4%
持ち帰ってはいけないこととしている3.1%1.4%
臨時休業等の非常時のみ持ち帰る18.9%2.5%

出典:文部科学省・国立教育政策研究所「令和8年度 全国学力・学習状況調査 報告書 質問調査(速報版)」学校質問(小学校)「児童一人一人に配備されたPC・タブレットなどの端末を、どの程度家庭で利用できるようにしていますか」の経年変化をもとに作成。「その他、無回答」は省略(確認日 2026-10-20)

令和8年度は「毎日持ち帰る」小学校が合わせて約4割、「時々持ち帰る」が4割台半ば。令和4年度に約2割あった「非常時のみ」は、わずかになりました。持ち帰りは広がってきましたが、毎日持ち帰る学校と時々持ち帰る学校がほぼ同じくらいあり、家でどれだけ使うかは学校によってかなり違うのが実情です。

文部科学省も、令和5年3月の通知で、平常時の持ち帰りの実施状況には地域や学校によって大きな差があると指摘しています。わが子の学校の方針は、お便りや説明会で確かめましょう。

学校の端末は「学校のルールで使う道具」

学校から持ち帰る端末は、家庭のものではなく、学校が管理する学習用の道具です。文部科学省は、端末の管理のしかたや学習の目的・内容をはっきりさせて、子どもや保護者と共有することが大切だとしています。保護者と共有しておきたい点として、通知の別添には次のような例が挙げられています。

  • 決められた使用時間を守る
  • 端末やアカウント(ID)・パスワードを他人に貸したり教えたりしない
  • アプリの追加・削除や設定の変更は、学校の指示に沿って行う(特に学校の備品の端末)
  • 学習に関係のない目的では使わない(特に学校の備品の端末)
  • 充電は学校などが決めた方法で行う

端末のどの機能をどこまで使えるかも、学校や自治体によって違います。文部科学省は、機能の制限は真に必要な場合にのみ、限定的に行うべきだとしていますが、令和5年の通知では、フィルタリングが強すぎて学習に必要なサイトが見られない自治体があったことも報告されています。家で「このサイトが開けない」というときは、学校側の設定によることもあるので、学校に聞いてみましょう。

家に通信環境がない場合について、文部科学省は持ち運べる通信機器の貸し出しなどの支援を自治体に求めています。困ったときは学校や教育委員会に相談できます。

学校の端末と家庭のタブレット学習の違い

同じ「タブレットで学ぶ」でも、学校の端末は授業や学校の課題のための道具、家庭用は家庭が目的を決めて選ぶ教材です。どちらがよいかではなく、役割が違うものとして整理してみます。

見るところ学校の1人1台端末家庭で用意するタブレット学習
だれが用意するか学校の設置者(自治体など)が整備し、学校が管理する家庭が教材を選び、契約して用意する
何に使うか授業や、学校が出す課題・連絡家庭で決めた学習(復習・予習・興味のある分野など)
使い方のルール学校・自治体のルール。アプリの追加や設定の変更は学校の指示に沿う家庭のルールと、教材ごとの仕組み
家庭の費用端末の扱いや破損時の取り決めは、配布時の案内で確かめる月額の受講費、端末代など(教材によって違う)

出典:文部科学省「GIGAスクール構想の下で整備された学校における1人1台端末等のICT環境の活用に関する方針について(通知)」別添3 をもとに作成(確認日 2026-10-20)

家庭用のタブレット学習を考える前に確かめたいこと

学校の端末があるから家庭用は不要とも、必要とも一概には言えません。次の点を確かめてから考えましょう。

  • 学校の端末を、どのくらいの頻度で持ち帰り、家で何に使っているか(宿題・課題・連絡など)
  • 家で学ばせたい内容が、学校の課題で足りているか。それとも別の学びをさせたいのか
  • 学校の端末と家庭用を両方使うと、画面を見る時間が合わせてどのくらいになるか
  • 家庭用の教材を使う時間を、学校の課題とどう分けるか

文部科学省は、学校の内外でICT機器を使う機会が広がることから、家庭でも子どもと話し合い、利用時間などを決めることが大切だとしています。家庭用を始めるなら、学校の端末の使い方と合わせて、1日の流れの中でどこに入れるかを子どもと一緒に考えておきましょう。

家庭用の教材を検討するときは、資料や体験版で中身を見て、学校で習う内容とどう重なるか、子どもが楽しんで取り組めそうかを確かめてから決めましょう。始めたあとも、子どもの様子を見て見直して構いません。

学校や自治体が決めたルールによります。文部科学省が示す保護者と共有したい点には、学校の備品の端末は学習に関係のない目的で使わないこと、アプリの追加や設定の変更は学校の指示に沿うことが挙げられています。迷ったときは、使う前に学校に確かめてください。

あります。令和8年度の全国学力・学習状況調査では、小学校の7.4%が「持ち帰らせていない」、1.4%が「持ち帰ってはいけないこととしている」、2.5%が「非常時のみ持ち帰る」と答えています。学校の方針は、お便りや保護者説明会で確かめられます。

まず学校に連絡し、決められた手順に従います。文部科学省は、故障・破損・紛失・盗難などが起きたときの対応手順や連絡先を、家庭と学校で共有しておくことが大切だとしています。費用の扱いなどは、端末を受け取るときの案内や書類で確かめておくと慌てずにすみます。

まとめ

  • GIGAスクール構想で、小学校の学習者用コンピュータは1人あたり1.1台(令和7年3月1日現在)になった
  • 令和8年度の調査では、端末を毎日持ち帰る小学校は約4割、時々持ち帰る学校は4割台半ば
  • 学校の端末は学校のルールで使う道具。使える機能や使い方は学校・自治体によって違う
  • 家庭用のタブレット学習は、学校の端末とは役割が違う教材として考える
  • 持ち帰りの頻度・家でしたい学び・画面を見る時間の合計を確かめてから、子どもの様子を見て決める

参考にした資料