小学校のプログラミング教育・英語は何をする?家庭でできる準備

机の上に文字のない色とりどりの小さなブロック型のおもちゃと無地のタブレット、表紙のぼけた英語の絵本が置かれ、子どもの手がブロックを並べている手元の写真 タブレット学習コラム

「小学校でプログラミングが必修になったと聞いたけれど、何をするの?」「英語は何年生から始まるの?」。入学前後や学年が上がるタイミングで、こうした疑問を持つ保護者は少なくありません。

この記事は小学生の保護者向けです。2020年度(令和2年度)から全面実施されている小学校の学習指導要領と、文部科学省の手引をもとに、プログラミング教育と英語(外国語活動・外国語科)で学校が何をしているのかを整理し、家庭でできる準備を考えます。

この記事でわかること

  • 2020年度の学習指導要領で、プログラミングと英語の何が変わったか
  • プログラミング教育は、どの教科でどんなことをするのか
  • 3・4年の外国語活動と、5・6年の外国語科の違い
  • 学校の学びに合わせて、家庭でできる準備

2020年度から何が変わったのか

いまの小学校学習指導要領は平成29年3月に告示され、2020年4月1日から全面実施されています。この改訂で、プログラミングを体験する学習が総則に位置づけられ、英語は3・4年に「外国語活動」、5・6年に教科の「外国語」が置かれました。授業時数の標準は、学校教育法施行規則で次のように決まっています。

学年外国語活動外国語(教科)
1・2年――
3・4年年35単位時間―
5・6年―年70単位時間

出典:学校教育法施行規則 別表第一(第五十一条関係)。授業時数の1単位時間は45分(確認日 2026-10-20)

改訂前は、平成23年度から5・6年で外国語活動が行われていました。文部科学省の解説では、音声中心で学んだことが中学校での文字の学習にうまくつながっていないといった課題を踏まえ、3・4年で聞く・話す活動を通して外国語に慣れ親しみ、5・6年から段階的に読む・書くを加える形にしたと説明されています。

プログラミング教育は、教科の中で「体験」する

プログラミングという新しい教科ができたわけではありません。学習指導要領の総則は、各教科等の特質に応じて「児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」を計画的に行うよう定めています。例として示されているのは次の3つです。

  • 算数(5年):正多角形の作図。正確な繰り返しが必要で、一部を変えると別の正多角形もかける場面
  • 理科(6年):電気の性質や働きを利用した道具。条件に応じて動作し、条件を変えると動作が変わることを考える場面
  • 総合的な学習の時間:プログラミングの体験を、探究的な学習の過程に位置づける

文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」は、ねらいを大まかに3つにまとめています。①「プログラミング的思考」を育むこと、②プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータなどに支えられていることに気付き、身近な問題の解決に生かそうとする態度を育むこと、③教科の中で行う場合は、その教科の学びをより確実にすること、です。

「プログラミング的思考」とは

手引では、自分が意図する一連の活動を実現するために、どんな動きの組合せが必要か、動きに対応した記号をどう組み合わせ、どう改善すれば意図に近づくかを論理的に考えていく力、と説明されています。

手引は、児童がプログラミング言語を覚えたり技能を習得したりすること自体はねらいではない、とも明記しています。うまくいかないときは思い付きで命令を変えるのではなく、どこが違ったかを考えて直し、結果を確かめることが大切だとされています。

3・4年の外国語活動と、5・6年の外国語科の違い

同じ英語でも、3・4年と5・6年では目標の立て方が違います。学習指導要領の中身を表にまとめます。

見るところ3・4年 外国語活動5・6年 外国語科
位置づけ教科ではない「活動」教科
扱う領域聞くこと、話すこと[やり取り]、話すこと[発表]の3つ左の3つに、読むこと・書くことを加えた5つ
文字との関わり文字の読み方が発音されるのを聞いて、どの文字かが分かる活字体の大文字・小文字を書く。音声で十分に慣れ親しんだ語句や表現を、語順を意識して書き写す
語の数の目安定めなし3・4年で扱った語を含め600〜700語程度
扱う言語英語を扱うことが原則英語を履修させることが原則

出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章第10節 外国語・第4章 外国語活動をもとに作成(確認日 2026-10-20)

3・4年は「聞く」「話す」が中心で、文字を書くことは目標に入っていません。5・6年で読む・書くが加わりますが、書くことも「音声で十分に慣れ親しんだ」語句が対象です。また、3・4年、5・6年とも、目標は学年ごとではなく2学年間を通した目標として示されています。

家庭でできる準備

学校の学びに合わせて家庭でできることを、プログラミングと英語に分けて挙げます。どれも「先取りしなければ」と気負う必要はなく、子どもの興味に合わせて取り入れれば十分です。

プログラミングに向けて

  • 身支度や料理などの手順を、子どもと一緒に順番に並べて言葉にしてみる
  • 家で端末を使って試すときは、うまく動かない原因を「どこが違ったかな」と一緒に考える
  • 身の回りの家電や機械が、条件によって動きを変えていることに目を向けてみる

英語に向けて

  • 3・4年のうちは、文字を書かせることより、英語の音声を聞いたり、あいさつを交わしたりする機会をつくる
  • 5・6年になったら、学校で習った表現を家で使ってみる。書く練習は、音声で慣れた語句から
  • 学校で今どんな表現を習っているかを、子どもに聞いてみる

家庭用の教材を使う場合は、学校で習う内容とどう重なるかを資料や体験版で確かめ、子どもの様子を見ながら続けるかどうかを判断しましょう。

手引では、プログラミングを行ったからといって、それだけを取り立てて評価したり評定をつけたりするものではないとされています。算数や理科などの中で行った場合は、その教科の評価規準で評価するのが基本です。

3・4年の外国語活動の目標は、聞くこと・話すことが中心です。文字については、読み方が発音されるのを聞いてどの文字かが分かることが目標に入っています。大文字・小文字を書くことは、5・6年の外国語科の目標です。

手引には、小学校のプログラミング教育はプログラミング言語を覚えることをねらいとしていないと書かれています。家庭で取り組むかどうかは、子どもが興味を持っているか、楽しめているかを見て決めれば十分です。

まとめ

  • 今の小学校学習指導要領は2020年度から全面実施。英語は3・4年が外国語活動(年35単位時間)、5・6年が教科の外国語(年70単位時間)
  • プログラミングは新しい教科ではなく、算数・理科・総合的な学習の時間などの中で体験する
  • 手引のねらいは、プログラミング的思考、情報技術への気付きと活用しようとする態度、教科の学びを確かにすること
  • 3・4年は聞く・話すが中心、5・6年で読む・書くが加わる
  • 家庭では手順を言葉にする、英語の音声に触れるなど、学校の学びに合わせて子どもの興味の範囲で

参考にした資料