タブレット学習は目に悪い?視力への影響と1日の使い方のルール

窓際の明るい机で、子どもがタブレットから適度に距離をとって座っている横からの遠景 タブレット学習コラム

タブレットで勉強する時間が増えると、「目は大丈夫?」「1日どれくらいまで?」と気になるものです。この記事は、幼児から小学生までの子どもをもつ保護者に向けて、家庭でタブレット学習をするときの目と体への配慮をまとめたものです。

文部科学省やWHO(世界保健機関)、厚生労働省などの公的な資料で示されている目安をもとに整理しています。個々の子どもの目の状態を判断するものではありません。気になる様子があるときは、眼科や小児科で相談してください。

この記事でわかること

  • 子どもの裸眼視力の最新の統計
  • 画面との距離と、目を休める間隔の目安
  • 姿勢・部屋の明るさ・画面の明るさで気をつけたいこと
  • 年齢ごとに示されている画面の時間の目安
  • 眼科・小児科に相談したいサイン

小学生の3割超が裸眼視力1.0未満という統計

文部科学省の学校保健統計調査(令和7年度・2026年2月公表)では、裸眼視力1.0未満の子どもの割合は次のとおりでした。学校段階が上がるほど割合が高くなっています。

学校段階裸眼視力1.0未満の割合
幼稚園23.90%
小学校36.07%
中学校59.35%
高等学校71.51%

出典:文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)」(確認日 2026-10-20)。令和2〜5年度の数値は調査時期の違いがあるため、他の年度とは比べられないとされています。

文部科学省の近視の解説資料は、裸眼視力1.0未満のうち約8〜9割は近視と指摘されていると紹介しています。近視には遺伝と環境の両方が関わり、環境の要因として屋外で過ごす時間の減少や、近い所を見る作業の増加が挙げられています。

同じ資料は近視実態調査の結果として、学校以外での電子機器の利用が一律に視力低下と強く関連するとはいえなかった一方、勉強や読書も含めて「長い時間、近くを見続けること」に気をつけるのが大切だとしています。紙のドリルも含めた、近くを見る時間全体を整えるという考え方です。

画面との距離は30cm以上、30分に1回は遠くを見る

文部科学省の「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」(令和4年3月改訂版)は、次のような目安を示しています。家庭学習にも使える内容です。

  • 目と画面の距離は30cm以上離す
  • 30分に1回は、20秒以上画面から目を離して遠くを見る
  • デジタル端末を見続ける学習時間が、一度に長くならないようにする

ガイドブックは、デジタル端末を長い時間見つめると眼精疲労やドライアイを生じる可能性があるとしています。集中するとまばたきが減るためです。

タイマーを30分にセットし、鳴ったら窓の外の遠くを眺める形にすると取り入れやすくなります。幼児なら大人が一緒に声をかけましょう。

姿勢と明るさ:画面の角度、部屋の照明、画面の輝度

距離を保つには姿勢も大切です。ガイドブックでは、タブレットを使うときのポイントとして、背中を伸ばす、いすに深く腰かける、床に両足をつけることを挙げ、目線が画面とほぼ直角に交わるよう画面の角度を調整するよう示しています。机といすの高さも成長にあわせて見直します。

ただし「一つの正しい姿勢」はないとも説明しており、大切なのは無理な姿勢のまま長い時間続けないことです。

明るさについては、暗い部屋では瞳孔が開いてピントが合いにくくなり、目が疲れやすくなるとされています。部屋の照明はつけたうえで、画面の明るさは部屋の明るさにあわせて調整します。夜に家で使うときは、昼間の教室より画面の明るさを下げるのが一般的に推奨されている、とも書かれています。

1日の画面の時間は、年齢によって示され方が違う

時間の目安は、資料によって対象年齢や数え方が違います。

資料対象示されている目安
WHO(2019年)1歳まで座ったまま画面を見る時間は勧められない
WHO(2019年)2〜4歳1日1時間まで。少ないほどよい
WHO(2020年)5〜17歳座っている時間、特に娯楽のための画面の時間を減らす(時間の数値はなし)
厚生労働省(睡眠ガイド2023)小・中・高校生1日60分以上体を動かし、スクリーンタイムは2時間以下が推奨されていると紹介
日本小児科医会(2004年提言)子ども全般2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控える。メディアに接する総時間は1日2時間までが目安

出典:WHO「Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years of age」、WHO「Guidelines on physical activity and sedentary behaviour」、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」、日本小児科医会「『子どもとメディア』の問題に対する提言」をもとに作成(確認日 2026-10-20)

WHOの幼児向けの目安は、テレビや動画、ゲームなど座ったまま画面を見て過ごす時間についてのもので、学習教材を別に数えるかどうかは読み取れません。家庭では、学習・動画・ゲームを合計した画面の時間として把握しておくと見直しやすくなります。

寝る前1時間は画面を見ない、外で過ごす時間もつくる

ガイドブックは、寝る前に強い光を浴びると眠りを促すホルモン(メラトニン)の分泌が妨げられ、寝つきが悪くなる可能性があるとして、就寝1時間前からはデジタル端末の使用を控えるよう呼びかけています。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、小学生は9〜12時間を参考に睡眠時間を確保するよう推奨しています。

なお子どものブルーライトカット眼鏡については、日本眼科医会など6団体が2021年に「慎重意見」を出し、端末のブルーライトは窓越しの自然光より少なく、子どもに装用を勧める根拠はないとしています。

文部科学省の近視の解説資料は、授業や休み時間以外で1日1時間半、休日は1日2時間を屋外で過ごすことを目安に挙げています。木陰でも必要な明るさは確保できるとされ、熱中症や紫外線にも配慮します。

こんな様子があれば眼科・小児科へ

文部科学省の子ども向け資料は、次のようなことがあればおうちの人に伝えるよう呼びかけています。家庭で気づいたら、眼科で相談するきっかけにしてください。

  • 黒板の字が見えにくい
  • 目を細めないと遠くの文字が読みにくい
  • ものがぼやけたり、重なって見えたりする

ガイドブックも、ドライアイになると目がしょぼしょぼする、充血する、疲れ目になるといったトラブルが起きやすくなるとし、症状がひどい場合は眼科医に相談するよう勧めています。健康診断で視力の低下を指摘されたときも、早めの眼科受診が勧められています。目以外の不調が続くときは小児科で相談しましょう。

タブレット学習だけで視力が下がると言い切れる資料はありません。文部科学省の資料は、紙の本も含めて近くを長時間見続けることに気をつけるよう示しています。距離・休憩・姿勢・明るさを整え、気になる様子があれば眼科で相談してください。

学習でも、近くの画面を見続けることに変わりはありません。ガイドブックは、端末を見続ける時間が一度に長くならないようにし、30分に1回は目を休めるよう示しています。

まず眼科を受診し、医師に相談して決めるのがよいでしょう。家庭での使い方の注意点は子どもの目の状態によって変わります。1日にどのくらい画面や本を見ているかを伝えると相談しやすくなります。

まとめ

  • 裸眼視力1.0未満は小学校で36.07%(令和7年度)。学校段階が上がるほど高い
  • 目と画面は30cm以上離し、30分に1回は20秒以上遠くを見る
  • 背中を伸ばして深く腰かけ、部屋は明るく、画面の明るさは部屋にあわせる
  • 画面の時間の目安は年齢で違う。学習・動画・ゲームを合わせて把握する
  • 寝る前1時間は画面を控え、気になる様子があれば眼科・小児科へ

参考にした資料